頚椎ヘルニアの症状の一つに痺れがあります。痛みと共に併発し、患者さんをとても苦しめるものです。最初の内は肩から腕にかけての範囲ですが、徐々に指先にまで及んでいきます。腰の場合は
坐骨神経痛と呼ばれ足の指先にまで痛みやしびれが及びます。
痺れは先端にいけばいくほど強くなり、片側だけでなく両側、そして、次第に上半身だけでなく、下半身も症状が出るようになります。頚椎という部分は、頭を支える部分なので下半身にまで症状が及ぶことはイメージしにくいかもしれません。しかし、頚椎は脊髄の一部なのです。
椎間板が圧迫されて損傷し、そこから飛び出た組織は脊髄に触れることは十分にあります。そういったことから、症状は体全身に行き渡るのです。
頚椎ヘルニアによる上半身の痺れは、握力低下に繋がっていきます。更には、指先の細かい動きが難しくなって、字が書きにくくなり、ボタンの留外しも困難になってきます。このような症状を巧緻運動障害(こうちうんどうしょうがい)と言います。
また、下半身からくる症状は、足が前に出にくくなって歩行がし辛くなることや、階段の上り下りが厳しくなることが挙げられます。このような症状を痺性歩行障害(けいせいほこうしょうがい)と言います。
脊髄のどの部分が圧迫されるかによって、現れる症状が違ってきます。一般的に、麻痺や排尿障害が現れたら手術だと言われています。下半身の痺れは排尿障害を引き起こす危険性があります。
このような状態が強くなってきたと感じたらそれは危険信号です。しかし、手術には大きなリスクが伴うということを知っておいてください。残念なことに、手術は危険が及ぶため、医師たちもあまり進んで薦めてはきません。
また、手術をしたとしても再発率は90%を超えるとも言われています。ですので、手術をしたからといって、完治することが出来るのかといったら決してそんなことはなく、今の症状が多少軽減される程度と思っておいた方が良いかも知れません。
それでも手術を選択するという方はいます。現在の痛みやしびれを多少でも軽減出来るのなら、再発のリスクを抱えてでも手術をして欲しいと願う患者は多くいます。しかし、一つ間違えれば寝たきりや車いす生活になってしまうこともあります。
ですので、やはり手術はあまりお薦め出来ません。運動療法やその他の治療で完治させることが一番望ましいと思います。ここまで手術の危険性をお話した上で、それでも、手術をしたいという場合は、今お伝えしたことをしっかりと念頭においた上で、ある程度の覚悟を決め、踏み切ることが必要かと思います。